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絵巻物

男衾三郎絵巻

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原本

【ライセンス】CC BY 4.0

男衾三郎絵巻(狩野晴川院養信ほか模)

【ライセンス】CC BY 4.0

作品解説

鎌倉時代、関東に住んでいた武士の兄弟の物語を絵巻にしたものです。 都の暮らしに憧れる兄、吉見二郎よしみじろうは、宮仕えの経験もある美しい女房を、武芸一筋の弟、男衾三郎おぶすまさぶろうは、関東一の醜い女を妻に迎えました。 絵巻はまず、兄二郎と黒髪の美しい妻の貴族のような暮らしを描いています。部屋の中には琴や琵琶が置かれており、妻はゆったりと絵を眺めていますね。 いっぽう、弟の三郎は武芸の稽古に明け暮れていました。三郎が、弓矢の稽古、笠懸に励む場面は歴史の教科書にもよく掲載されているのでご存知の方も多いはずです。 やがて、二郎夫妻には美しい娘が生まれ、慈悲と名付けます。三郎夫妻も子宝に恵まれましたが、娘の容貌は母にそっくり、顔は横に広く、縮れ毛でわし鼻、ドングリまなこに描かれています。 場面は一転して、兄弟が大番役で京都に上る途中の出来事を描いています。武芸を怠っていた二郎は山賊に襲われ、首を切られて死んでしまいました。 その後の物語は長くなるので簡単にご紹介しましょう。 二郎の妻と娘の慈悲は三郎の家に引き取られ、使用人として井戸の水汲みなどをさせられていました。そんなおり、美しい娘がいると聞きつけた国司が慈悲に求婚すると、三郎は自分の醜い娘と妻合せ、国司におおいに呆れられました。 おしまい。 なんとも中途半端な終わりかたで、おそらくはこの続きがあったものと思われます。 この絵巻を描かせたのは、貴族の側ではなかったかと考えられています。当時台頭してきた武士に対して、田舎の武士が都の貴族の真似などしてもだめ、という思いを表現したかったのかもしれません。

ColBaseより

狩野晴川院養信ほか模

第一段と第二段の間に原本にはない厩の図が確認される模本。「原本には見えないが、別の模本にこの図があるので挿入する」との模写時の識語しきごがある。吉見二郎の妻と娘の慈悲が厩の水を汲む場面とともに、本来は男衾三郎絵巻第六段に位置していたと考えられる。

ColBaseより