春日権現験記絵巻
原本、模本、複数系統など一覧
原本
※転載不可
【作者】高階隆兼
【制作時代】鎌倉時代・延慶2年(1309)頃
陽明文庫本(渡辺始興模写)
※転載不可
【作者】近衛家熙詞書、渡辺始興筆
【制作時代】江戸時代 享保20年(1735)
【所蔵】MIHO MUSEUM
春日大社本
※転載不可
【作者】住吉広行等
【制作時代】文化4年(1807)
【所蔵】春日大社国宝殿
住吉広一模
※転載不可
【作者】住吉広一
【制作時代】明治26年(1893)頃
【所蔵】東京国立博物館
今村紫紅筆
※転載不可
【作者】今村紫紅
【所蔵】東京国立近代美術館
彩色木版複製本
※転載不可
【所蔵】奈良女子大学
作品解説
他にも前田氏実、永井幾麻模、板橋貫雄筆(国立国会図書館所蔵)が確認できた。これらについてはこのサイトに順次掲載予定である。
『春日権現験記絵巻』(春日権現験記絵)は、鎌倉時代末期の延慶2年(1309年)、時の左大臣・西園寺公衡の発願によって制作され、藤原氏の氏神である大和国・春日社(現・春日大社)に奉納された社寺縁起絵巻の白眉である。絵は宮廷絵所の長であった高階隆兼が工房を率いて担当し、詞書は前関白・鷹司基忠およびその子息である冬平、冬基、一乗院良信によって分担執筆された。本作品は全20巻(および目録1巻、計21巻)の長大な構成を誇り、承平7年(937年)の霊託から嘉元2年(1304年)に至る春日大明神の奇瑞や霊験譚計93段が、最高級の絵絹の上に当代最高水準の大和絵技法をもって極彩色で精緻に描き出されている。奉納後、本絵巻は春日社および興福寺(東北院・櫟本館)において神宝として厳重に秘蔵され、拝観資格は40歳以上の社司や特定の高僧に限られるなど、閲覧が厳しく制限されていた。しかし江戸時代後期に至り社頭から流出し、旧摂家の鷹司政熈のもとに蒐集された後、明治8年(1875年)と同11年(1878年)の2度にわたり鷹司家から皇室へ献上された。献上後は「御物」として宮内省によって厳格に管理・保管され、現在は皇居三の丸尚蔵館が収蔵し、国宝に指定されている。平成16年度(2004年)から13年間に及ぶ全巻の解体大修理および東京文化財研究所との連携による詳細な光学調査が実施され、上皇后美智子による小石丸絹糸を用いた表紙裂・巻緒の復元等を経て、鎌倉当時の鮮麗な画面と健全な巻子構造が回復された。